「ゴールとハードワークでヒーローに」。ギラヴァンツ北九州 高 昇辰選手(コ・スンジン/22)。


日本文理大学サッカー部を卒業し、今シーズンよりギラヴァンツ北九州でプレーする高 昇辰選手(コ・スンジン/22)

 開幕から6試合全ての試合に途中出場(4月9日時点)するなど、チームを救うFWとしての活躍が求められている。

 今回は高選手に、「2桁得点を目指す」プロ1年目の意気込みを聞いた。

プロ1年目に臨む今シーズン。自身の課題と学びとは


ーープロ1年目を迎える今季ですが、開幕に向けたキャンプでの感触はいかがでしたか?


高選手:「九州で1週間のトレーニングを積んだ後にキャンプに向かったのですが、キャンプ3日目にハムストリングの怪我で離脱してしまいまして。焦りを感じながらのスタートとなりました。ただ、合流して以降は出来ないことも多くありながら、手応えもあって、好感触でした。

また、ありがたいことに人にも恵まれ、チームにすぐ溶け込むことができました。皆さんいい方たちです」


ーー大学サッカーからプロに進むにあたって感じた違いはありますか?


高選手:「大学サッカーよりも『止めて蹴る』が正確です。また、動きの質や連続性も違います。僕は大学の時から連続性に欠けていて休んでしまう癖がありましたが、ここに来て、如何なる状況でも連続性を持ってプレーに関与しなければいけないことを痛感しています」


ゴールとハードワークでチームに貢献するヒーローに


ーーリーグ開幕から6試合連続で途中出場(4月9日時点)していますが、どういったことを意識してピッチに入っていますか?


高選手:「難しい状況や、結果を求められる状況で投入されることが多いので、ヒーローになることを意識して入っています。今のところ全然ヒーローにはなれていないですけど、局面を変え、得点に絡むような活躍を期待されていると認識しているので、目に見える結果でチームに貢献できればと考えています」


ーーそのなかで、高選手自身はどういったFW像を持ってプレーしていますか?


高選手:「今ではまだ程遠いですが、得点を取るという数字の部分でチームに貢献できるストライカーになりたいです。そうなるべきだとも思っています。ただ、攻守にわたってチームのためにハードワークする部分もFWとして必要不可欠なので、その部分を怠らず、チームのためにハードワークするからこそ、得点が取れるんだという意識で取り組んでいます」


ーー得点を目指すなかで、特にここで勝負したいという部分はありますか?


高選手:「チームメイトとのコミュニケーションを増やし、クロスからの得点パターンを磨いていきたいです。また、そこに至るまでの流れのなかで、ポストプレーなどからチームのテンポを作っていきたいと思っています。今は全然できないことが多く、わからないことも多いなかでプレーしていますが、ベースの部分を向上させていき、自分の武器を徐々に出していければと思っています。僕のなかでは一試合一試合良くなっていっている感触があり、非常に前向きなので、ぶれずにトレーニングに励んでいきたいです」

支え続けてくれた方たちへの想い


ーー話は遡りますが、日本文理大学サッカー部ではどのような4年間を過ごしましたか?


高選手:「様々な紆余曲折があるなかで、這い上がった4年間でした。当初は周りの環境やレベルに慣れることが出来ず、自信の課題に向き合えない時もありましたが、周囲の人たちに支えられ、助けられながら頑張ることが出来ました。

そのなかで、一つずつ課題を改善していき、プロになれる実感や自信を掴むことが出来たと思います」


ーープロを目指し大学に進学されたと思いますが、そのなかで、更に強くプロを意識し始めたのはいつ頃からですか?


高選手:「3年のときの総理大臣杯です。チームはベスト8を果たし、個人的にも3試合すべての試合で得点することが出来ました。そのなかで『全国水準の相手にここまで通用するんや』と、自信を付けることが出来たと思います。プロという舞台が現実的に視野に入ってきた感覚がありました」


ーーギラヴァンツ北九州への加入が決まったときはどのような心境でしたか?


高選手:「『ほっとした』というのが正直な気持ちです。自分はプロになるまでの過程で本当に色んな人に迷惑をかけ、支えられ、応援されてきたので、そんな方たちの想いに少しでも応えることが出来て嬉しい気持ちでいっぱいでした。僕が苦しい時に常に寄り添いトレーニングに付き合ってくれたり、僕が抱いていたプロになるという夢を自分の夢のように応援してくた方々のために、更に良い姿を見せたいと思いました」


ーー様々な想いを背負い臨むプロ1年目の今シーズン。強い気持ちをお持ちだと思いますが、ご自身が抱く目標はありますか?


高選手:「1年間の試合に出続けるなかで、常に得点に飢え、2桁得点を目指したいです。

僕はまったくエリートではありません。以前、地元で小学生時代のサッカー仲間に会ったんですが、『まさかお前がプロになるとは思わんかった』と言われました。それくらい、下手だったんです。だからこそ、プロになった今、強い気持ちを持ち続ければ道は開けるということを、これまで支え応援しくださった方々に示すことで、応えていきたいです」