母校・埼玉初中でJ1優勝を報告/横浜F・マリノス、朴一圭選手


 2019年シーズンのJ1リーグで優勝を勝ち取った朴一圭選手(GK、30)が18日、母校である埼玉初中を訪れ、優勝報告会を行った。園児、児童、生徒らは、卒業生の凱旋に大喜び。終始、興奮した表情でふれあいの時間を楽しんでいた。 


 努力と感謝 


 全校生が集まった講堂は、朴選手の登場によって一気に沸き返った。  

 歓声と紙吹雪を浴びながら壇上に上がった朴選手は、笑顔で生徒代表から花束を受け取った。その後、参加者たちとともに自身のプレー写真がまとめられた映像を観賞。マイクを受け取ると、「報告会の場を設けてくれて嬉しく思っているし、こうしてみんなが集まってくれたことに感謝している」とし、「2つだけ話したいことがある」と語った。 

 1つ目は、「諦めずに努力しつづければ、必ず成功できる」ということ。 

 「日本学校を出て成功するのではなく、日本社会で朝鮮人として生きて朝鮮学校に通って成功すれば、多くの同胞が喜んでくれるし関心を持ってくれる。ウリハッキョ卒業を誇れる人間になってほしい」

 朴一圭選手は、2つ目に「常に感謝の気持ちをもってほしい」と語りかけた。   

 「自分たちが日本社会で朝鮮学校に通えるのは、アボジ、オモニがいて、ここにいる先生たちがいて、多くの同胞の愛情があるから。だから感謝の気持ちを持ってほしい。…自分たちが日本学校ではなく、なぜウリハッキョに通えているのか。そういうことを常々考えてほしい」  

 朴選手は最後に、「埼玉初中の卒業生が活躍すれば埼玉同胞たちが喜んでくれる。1人でも多くの卒業生が成功してくれることを願っている」と述べ、「来年もJ1で優勝して、みんなの前で報告会を行いたい。自分も頑張るので、みんなも一緒に頑張ろう」とエールを送った。

 質疑応答では、PK戦のコツやサッカー人生における挫折など、さまざまな質問が投げかけられた。児童や生徒たちは朴選手の言葉に熱心に聞き入っていた。  

 初級部サッカー部でGKとしてプレーする梁世怡さん(初5)は「何事も諦めず、努力することが大切だと学んだ」とし、「(朴選手のように)チームの中で重要な役割を担う選手になりたい」と目を輝かせていた。

 最後に全校生との記念写真を撮った朴選手は、サイン入りのユニフォームと色紙を学校に贈った。  「母校を訪れたことで、同胞たちの期待に応えたいという思いがさらに強くなった」とする朴選手は、J1リーグの連覇はもちろんのこと、アジアの強豪クラブが集うAFCチャンピオンズリーグでの優勝、朝鮮代表入りを目指しながら、来季のさらなる活躍を誓っている。 


-朝鮮新報より-