2020年は世界的にも波乱の年となった。誰もが予想だにしなかったコロナウイルスの影響を受け、今まで通りの日常生活を送れないという前代未聞の危機に遭遇。我々が普段から熱狂するサッカーも日常生活の一部であるが、コロナウイルスはそのサッカーを観戦するどころか、プレーすることさえも許してくれなかった。
人々はそれでもサッカーを求め続けた。この未曽有の危機の中でもサッカーのある生活を取り戻すべく、多くの関係者や医療従事者が尽力し、世界各国のプロサッカーリーグは独自の規制を設け、“新しいサッカー観戦形式”を展開し、リーグ再開を果たしたのだ。
日本の近隣である韓国のプロサッカリーグ「Kリーグ」も比較的早い時期から打開策を講じ、リーグを再開させていた。Kリーグは先日11月1日に最終節を迎え、韓国サッカーのレジェンド『イ・ドングク選手( 全北現代 )の引退』がトピックを独占した。イ・ドングク選手は韓国のサッカーファンに引退を惜しまれるなか、勝利という結果をもって自身の現役生活に有終の美を飾ったのであった。
そんな中、少し変わった経緯でKリーグの舞台に足を踏み入れた選手がいる。皆さんはご存知だろうか、他国や他チームでプロを経験することなく、日本の大学からストレートでKリーグ「大邱FC」に入団した、尹鐘太(伊藤 鐘太)選手の存在を。
彼は現在、徐々に頭角を表し始め、10/25に行われた浦項スティラーズ戦では見事初スタメンを飾り、続く11/1に行われた全北現代戦でも、先発ラインナップに抜擢。来期にはチーム内ポジションの確立が期待されている。
“ドリブル”を磨き続けた少年時代
在日コリアン三世として神戸で生まれ育った尹は、毎日のように従兄弟達とドリブル練習に明け暮れ、家に帰っても大好きなドリブルに磨きをかけていた生粋の“ドリブル小僧”であった。
祖父母の愛した祖国で、プロサッカー選手に
見守ってくれてる家族、亡くなった祖母を思いピッチへ
2020年10月25日、大邱FCvs浦項スティラーズ戦。尹は遂にスタメンとしてピッチに立った。その時ばかりは、家族に対する感情が込み上がって来たと話す。
今の自分があるのは、家族のおかげです。感謝してもしきれないほどの力をいつも貰っています。まだまだスタートラインに立ったばかりですが、今まで支えてくれた家族達の顔を浮かべながら頑張りたいです」
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