2018年に資金難で存続困難となったサウルコス福井を引き継ぐ形として、2019年に福井ユナイテッド株式会社を新たに設立。ゼネラルマネジャー(GM)にはFC岐阜やV・ファーレン長崎でGMを務めた服部順一氏が就任。更には今シーズン、新戦力として川崎フロンターレなどで活躍した元日本代表FW我那覇和樹を獲得するなど大型補強を実現させ、積極的にクラブ改革に着手している。
福井ユナイテッドFCは、松本山雅FCやツエーゲン金沢が同じ北信越の地からJリーグへとステップアップしていくのを横目に、長らくJFL行きの切符を掴みきれずにいる。実力があるからこそ「今年こそは」と地域のファンは期待するのだが、なかなかその期待に応えられていないというのがクラブの現状だ。
引退も考えた昨シーズン。それでもプレーし続ける理由。
2019シーズンに加入し、現在はチームの主力として活躍している洪選手は、「昨シーズンが終わった時点で引退することも考えた」と話す。
目指す先は「JFL昇格」のみ。
サッカーを通して後輩達に示したいもの
洪選手が引退を踏みとどまったのには、もう一つの理由がある。それは自身を育ててくれた母校や後輩達への想いからだ。「横浜F・マリノスで活躍する先輩、一圭(イルギュ)さんや、栃木SC所属の後輩、勇太(ヨンテ)の活躍が刺激になったし、俺もやらなきゃいけないという気持ちになった。」と話す洪選手は母校や後輩達への想いが人一倍強い選手でもある。
「僕が育ったウリハッキョ(日本にある朝鮮学校)は人数も少なくなっているけど、在日コリアンでも『何にでもなれる』ということを伝えたい。そういった意味でも僕もその可能性を示してあげられる1人でありたいし、まずはサッカーで這い上がっていきたい」
洪選手が持つ根底の目的は「育ててくれたウリハッキョに貢献すること」であり、今はその想いをサッカーで具現しようとしている。「ウリハッキョに通ったから出来なかった」ではなく、「ウリハッキョに通ったからこそ出来た」というマインドを持たせてあげたいのだ。
Jリーガーに負けず劣らずの勢いで、地域リーグやJFLへの関心が集まるようになってきている中、洪選手を含めた在日コリアンフットボーラーが全国各地、様々なカテゴリーでプレーしている。その選手達が躍動すれば、洪選手が持つ根底の目的「育ててくれたウリハッキョに貢献する」を達成出来るはずだ。
そして、何よりも今シーズン。洪選手の活躍によって、チームの「JFL昇格」を果たすことが出来れば、洪選手が想いを寄せるウリハッキョや後輩たちへの心強いエールになるに違いない。
洪選手の活躍に要注目だ。
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