金大生(キン・デセン)選手(25)だ。
クラブのフィジカルスタンダードを牽引する存在である金選手に、J昇格を目指すいわきFCというクラブでプレーするやりがいと、自身の今後のキャリアについて伺った。
今年から全選手がプロ契約に
爆発力のあるスピードと、1対1の強さが武器の金選手。
東京朝鮮高級学校を卒業後、駒沢大学に入学。入学後は1年生時から試合に出場し、プロ入りも有力視されていたが、プロとしての就職先を確保することが出来なかった。「Jに行く目処が立たず、サッカーを続けるかどうかすらも迷った」と話す金選手であったが、当時のいわきFCには駒沢大学時代の先輩がプレーしており、しつこく、いわきFCの練習参加に来るように誘われたそうだ。「いざ練習に参加してみるとクラブとしてのビジョンが明確にあって、練習の質が高く、何より楽しかった」。金選手は練習参加からすぐにオファーを貰い、いわきFCへの入団を決意した。
「Jに上がって当然」という“覚悟”を持って挑む今シーズン
いわきFC入団1年目のシーズンでは、J屈指の強豪であるコンサドーレ札幌や清水エスパルスと天皇杯で対戦し、確かな手応えを感じた。そして、多くの在日コリアンがそのJリーグの舞台で活躍しているのを横目に「自分にもやれる自信がある」と感じた。そんな金選手が、Jリーグの舞台に足を踏み入れる為の道筋は2通りあると考えられる。
一つは、金選手が今シーズンもさらなる活躍を果たすことによって、選手個人としての評価を獲得し、キャリアアップを果たすという方法。
そしてもう一つは、いわきFCがJFLという荒波を乗り越えて、チームと共にJ3昇格を目指すという方法だ…。金選手は果たしてどちらの道筋から這い上がるイメージを描いているのだろうか。
JFLを勝ち上がっていくことは並大抵のことではない。全体的に引いて守るチームが多いと言われているJFLの舞台で、どう切り崩していくのかがメインテーマになるだろうし、その鍵を握るのは、サイドで豪快な突破を図ることが出来る金選手が握っていると言っても過言ではないだろう。7月に行われた奈良クラブとのリーグ戦でも、サイドから再三チャンスを演出し、チームの勝ち点3獲得に大きく貢献した。ハーフタイムのロッカールームでは「テセンにパスを出せるなら、テセンに出せ!」と監督の檄が飛んだように、チームが金選手に求める期待は大きい。
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