11人目のフィールドプレイヤーとしての意識
ーー近年は、GKに求められるタスクが大きく変わった印象です。現在は指導者として現場に立ちながら、どのように感じ取っていますか?
金さん:「僕が選手をやっていた時(2016年に現役引退)以上に、『10+1』ではなくて、『11人目のフィールドプレイヤー』としての概念が強くなってきた。そういった意味でもシュートを止めることさえ出来ればそれで良い、という考え方は少し遅れています。もちろん前提として、シュートを止めれないといけないのですが、プラスアルファで求められるタスクが増えてきているからこそ、育成年代のGKたちも、よりサッカーを知らないといけないし、GKだけの完全別メニューだけを行うのではなくて、そもそものサッカーの理解が出来るようなことを心がけないといけません。例えばあのDFはどういった意図であのプレーを選択したのか、チーム全体の指揮を執る監督のやりたい事も理解出来ているのか。など、選手たちにはGKだけの目線ではなく、フィールドプレイヤーとしての目線も持てるような意識を持って欲しいと思ってます」
ーー11人目のフィールドプレイヤーとしての役割ですね。昨年に、横浜F・マリノスで活躍した朴一圭選手のプレースタイルも注目されました。在日コリアンGKの後輩でもある、朴選手の活躍をどのように見られていますか?
金さん:「あくまでも僕の主観ですが、キャリア的には僕よりも下のカテゴリからスタートしているし、身長もGKとしては僕より恵まれてもいない。今でこそアクション型で積極的に高いポジションを保つGKがスタンダードになりつつあるけれど、一圭(以下:イルギュ)はそのスタイルが良しとされていない時代から自分のスタイルを貫いてきた。周りからの批判や、チームから評価されない時期もあったと思う。それでもイルギュは貫いた。それがただ正しい、正しくないという考え方ではなく、GKというポジションが好きでその姿勢を貫き続けた。その姿勢が今に繋がっているし、そのスタイルを貫いたからこそ、FC琉球の金鐘成監督やマリノスのアンジェポステコグルー監督に目を付けられることになったんだと思います」
ーーどのような状況でも一貫して自分の信念を曲げなかった姿勢が、今の結果をもたらしているということですね。
ーー今後、朴選手のようなGKを輩出したいと考える時、育成年代ではどうのようなアプローチが必要だと感じますか?
子供達の背中を押してあげれるような指導者に
ーー今は神戸朝鮮高級学校でGKコーチとしてグラウンドに立っています。指導するにあたり、ご自身で意識している事ありますか?
ーー夢を叶える道ですね。最後に、金さんはどのような指導者像を思い描いてますか?
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